キッチンスプーン

『2016年3月』のアーカイブス
2016年3月31日 20:13

今までは、地元のおじさんが機械で割ってくれていました。

今は、わたしが斧で割っています。

これがなかなかいいです。

すぱーんとまっぷたつになるとき。

今ここにわたしはいます。 専念しています。

薪を割ることしかしていません。 

まっぷたつにならないとき。

今ここにわたしはいません。

かわらない過去や、わからない未来をちょっとうろうろ。

ここはひとつ、武士のように。

すぱーんといこう。 

カテゴリ:お店について
2016年3月30日 15:32

大分に行ったときのこと。

むすめと母と3人で、別府に泊まりました。

お部屋に露天風呂があり、お湯はばつぐん。

とおくに街並みが見え、いろんな音が聞こえてきます。

おふとんはふかふか。ゆかたもそでを通せばくったりやわらかい。

働いているのは70代のひとがほとんどでした。

みなさん落ち着きのあるふるまいで、いいお顔。

翌朝、花屋に立ち寄りました。

ブーケをお願いしてから、ガラスとびらのなかの切り花を見ていました。

ばら チュ-リップ スイトピー ガーベラ 

開けて見らんな。  うしろから声をかけるひとがいます。

ふりかえると、カウンターで働くひとのなかに、おばあちゃんがひとり。

ありがとうございます。 でも。

ええっちゃ。ええっちゃ。開けて手にとって、ほれ見らんな。

やさしいなあ、もう。

2016年3月29日 22:14

離任式のあとのお昼を作って、と 直瀬小学校の校長先生。

はい。わかりました。

前日。

離任される4人の先生に食べたいものを聞きました。

さいしょっからさいごまで、おとなも子どもも泣きっぱなしの日。

たくさん涙をながしたあとは、みんなきれいな目をしています。

さあさあ 涙をふいてお昼をどうぞ。

4人の先生のリクエスト・メニュー

おおきなハンバーグ ふわふわオムライス コンビネーション・サラダ

おいしい手作りケーキ あついコーヒー

カテゴリ:旬のメニュー
2016年3月29日 21:36

むすめの父親は大分にいます。

お別れして7年。

夫婦という関係がおわっても、彼のとのご縁はふしぎと切れません。

今はもう、なんのこだわりもなく。

かつて10年暮らしをひとつにしたひとは、

昔からの友人になりました。

彼から、大分の家族が病気で、むすめに会いたがっているときき

むすめにそのことを伝えて、いっしょに春の海をわたりました。

わたしは最初、お見舞いはご遠慮したのですが

療養中のひとに呼ばれ、かつての嫁ぎ先のひとたちに会い

なつかしいお家であついお茶をいただいてきました。

2016年3月26日 15:39

研修後のランチを届けてください。

鍋ごとのカレーみたいな感じでかまいません とのご依頼でした。

百貨店のちかくのビルの一階。

わたしはオフィスという場所で働いたことがありません。

なにもかもめずらしく

(ことば使いのうつくしい若者とか、キーボードをたたくはやさとか)

いちいちほんのちょっとしたつかい勝手がわからない。

(ものすごくゆっくり閉まるとびらや、車輪つきのうごかない長机など)

どなたのおじゃまもしないように、しずかにいきいきとご用意。

研修後のお昼

・10種類の野菜のスパイシー・カレー

・山の玄米と雑穀のごはん

・春のグリーン・サラダ

カテゴリ:ケータリング
2016年3月24日 17:45

闘病中の友人から連絡がありました。

たいせつなひとを急に亡くしたと。

ああ。

あのひとが。

しばらくのあいだわたしは、呼吸だけになっていました。

からだはとうめいな朝のひかりにとけて消え去り

たましいは無駄口ひとつなく、ただよどみなく醒めていました。

やがてゆるやかにもどってきた、音とひかり。

そこにはいつもとかわらない、ほのぼのと平和な山の朝がありました。

2016年3月22日 16:50

山の子どもたちのピアノ発表会に行きました。

母と二人でちょっとおめかしをして、あかるい杉林を車でぬけ、ちいさいホールへ。

朝一番に入れたあついコーヒーを水筒に詰めてもっていきました。

知っている子ばっかり。 客席もおなじです。

どの演奏も、ほうっと息がもれるくらいきっちり聴きごたえがありました。

夜は集まって、おいしいばんごはんをにぎやかに食べました。

翌朝。

たったひとりでたずねてきた友人から、つらかった恋のはなしをききました。

来るはずだったひとは、来ませんでした。

ひとりではたに糸をかけました。 はじめてでしたがうまくいきました。

海のちかくのひとと電話で話しました。

折々のうたという本のなかに、いいなとおもううたがありました。

かたまって 薄き光の 菫かな  渡辺水巴

2016年3月22日 16:34

さっき、うぐいすの声がした。

この春さいしょの。

目をとじてつぎを待ちます。

3月26日土曜日は松山にランチを届けに行くことになりました。

17人分。カレーがいいとのこと。

とびきりおいしいのでなくっちゃいけませんね。

というわけで、26日は食堂はおやすみです。

カテゴリ:お知らせ
2016年3月19日 16:53

ひとつの食材で、ぜんぜんちがう料理を3つ以上。

最近のこころみです。

まめなら、素揚げ チャパティー マリネ

雑穀で、リゾット ラグー スコーン

きゃべつの、ポタージュ サラダ グラタン

にんじんの、グラッセ 細切りサラダ ピュ―レ

菜花の、塩ゆで オイル煮 おなっぱソース

豆乳で、ホワイトソース プリン ジェラート

たのしいです。 おわらない。

カテゴリ:旬のメニュー
2016年3月18日 15:34

すばらしこととは控えめであることです。

よいこととは忍耐強いことです。

うつくしいこととは正しいことです。

暮らしの手帖 より

2016年3月17日 16:54

・かぼちゃ・にんじん・白ねぎ・だいこんのポタージュスープ

・久万高原町3月の恵み野菜盛り合わせ

 クレソンとヤーコンのグリーン・サラダ  にんじんの細切りサラダ

 はくさい・春キャベツ・かぶ菜・菜花の塩ゆで 自家製ドレッシング

 菊いも・だいこん・かぼちゃの素揚げ 里いもとしその実のれんこんはさみ揚げ

 だいこんの塩麹黒こしょうマリネ 3種類の豆のサラダ 

 春キャベツのコールスロー 原木しいたけと青ねぎのコンフィ  

・山の玄米リゾット ちもととつくしのフリッㇳ添え

・こきび・地元の黒ごま・えごまのクッキー

・kitchen spoon 3月のブレンドコーヒー

 おひとりさま  2500円

カテゴリ:旬のメニュー
2016年3月16日 16:28

おなかがいたい。

朝、むすめがなみだ目でそう言うので

しばらくいっしょのお布団のなかであたたまりました。

やがてうとうと。

目の下にくま。 ほんのり熱っぽい。 ここ数日無理がつづいてる。

んー。

おやすみだな。

ばったりたおれる前にやすむ。 

不調の原因はいつでもひとつではないですね。

2016年3月15日 19:39

今日わたしはゆらのではたおりでした。

畑をするひと 山のてっぺんまで行くひと 

月桂樹を煮出すひと いろいろ燃やしているひと 

森のまっただなか。

みんなでのんだお茶のおいしかったこと。

うつくしく晴れ、しずかないい休日でした。

森のお昼

玄米と春野菜(春きゃべつ・せり・まめ)のリゾット 

パセリとこがしにんにくのソース 香草塩

しのぶさんの畑のおなっぱ 

蒸しパン 白パン 雑穀スコーン

ひろしさんのコーヒー

カテゴリ:ケータリング
2016年3月12日 16:10

去年の冬。

薪ストーブを使っている友人たちと、木こり部をはじめました。

顧問は同世代の木こり、律郎さん。部長はチェンソーを持っていた次郎さん。

活動内容は単純。

みんなで山に行って木を切って運ぶ。

これが意外とたのしい。

薪でお風呂をわかし暖をとり食事の支度までしている友人たちにひきかえ

わたしは薪割りさえひとまかせにしてたぐらいですから

侯爵夫人のたき火遊びです。

この冬、ようやく斧をふるようになりました。

チェンソー買いや。 と部長。  はい。そういたしますれば。

2016年3月10日 21:32

久万美術館の学芸員をしている、ゆりさんといっしょでした。

好きだった絵がしっくりこなくなって。はずしました。 とわたし。

そういうことあるって、しらなかったな。 はい。

そういえばむかし働いていた神戸のレストランに、一枚の絵があって。 ええ。

おおきな絵でした。合掌した手をね、こう、かいてあって。 ん。

当時、その絵がむしょうにこわくて、こわくて。 ふん。

いまならどう感じるんでしょうね。 見てみたいな。たしか山下さんというひとの絵でした。

すっと立ち上がったゆりさんの長い髪が、さらり。 黒い瞳がきらり。

そのひとの絵、いまうちに来てますよ。

え。

というわけで、見てきました。

ふたりだけの展覧会。

2016年3月 9日 16:23

今日お越しになった男性。

背中が泣いていました。

お  と息をのむほど。

よけいなお世話はひとつもしたくないので

とくになにもしませんでした。

あついお茶とふかい沈黙。

これがわたしの愛のあらわしかた。

2016年3月 8日 20:22

冬ごもり中にはじめたはたおりにすっかり夢中です。

とにかくたのしい。

ついこのあいだ、虹色のもこもこした布が仕上がって、今は木綿の布。 

しっくりきます。

ひめちゃん次この糸どう。 と陽子さん。

なに織りたい。

そう聞いてくれるときの彼女の瞳は、つやつやと黒くひかります。

その糸がいい。 おおきいのが織りたい。

たぶんわたしは、ただただ、はたおりがしたいのです。

できた布はとりあえず、奥の間のすみにふんわりたたんでおきましょう。

2016年3月 5日 16:36

お食事のあと、お客さまといっしょに山菜つみをしました。

おや、と顔をあげた地元の農夫。

なに。 ふきのとう。 

まだじゃない。 うん。ちょっと。

足のうらにふかふかとやわらかい土を感じる、古いあぜ道。

くずれかけた石垣のそばに、菜花がひとたばありました。

日当りのいい田んぼに、ほっこりと丸いふきのとう。

畑のすみに、のびるがすこし。

手のひらのうえのほわほわとやわらかい山菜を

ひとつも落っことさないように大切そうに見つめるひとの顔もまた、やわらかい。

今年は春が早い。

カテゴリ:お店について
2016年3月 4日 15:23

自分の仕事は自分でつくる。

そういうひとにとって、久万高原町はねがいごとのかなう町です。

ひつじを飼って、その毛を刈ってつむいで、はたで織った布を染めているひと。

まず山を買って、木を切って木を売って、自分で家をたてて暮らしているひと。

庭のおおきな松の木が気に入って移り住み、古い家を手入れしながら子を産み育てるひと。

一日のほとんどを大好きでたまらない台所と畑ですごすひと。

山の工房でこしらえた革製品を、車にいっぱい積みこんで走り出すひと。

どうでしょう。

あなたもぜひここに来てください。

カテゴリ:お店について
2016年3月 3日 21:00

・冬の白いポタージュスープ(はくさい・だいこん・さといも・まめ)

・久万高原町3月の恵み野菜をおさらいっぱいに

 茶大豆のマリネ かぼちゃ・ごぼう・だいこん・きくいもの素揚げ 

 3種類のかぶの細切りサラダ 蒸しだいこんの塩こうじ黒こしょう

 さつまいものはちみつサラダ れんこんのガレット ヤーコンサラダ

 グリーンサラダ(クレソン・みずな・サラダ菜・しゅんぎく・高菜)と自家製ドレッシング

・地粉のあつあつピロシキ

・手打ちショートパスタ 菜園風ソース

・黒もちとうきび粉のスコーン

・kitchen spoon3月のブレンドコーヒー

おひとりさま 2500円

どなたさまもごゆるりと

 

2016年3月 2日 21:10

べつべつにお越しになったお客さま。

どちらともなくぽつりぽつりとはじまるおしゃべりは

つづいたり、つづかなかったりさまざまです。

ふわっともりあがって、すっとひいて。

お天気みたい。

会話のなりゆきを聞いているうちに気がついたのですが。

あいまいなことをあいまいなまま受け入れて

お互い引き分けになるように、だれもが折り合おうとしている

初対面のひととひと。

カテゴリ:お店について
2016年3月 1日 20:03

松山から訪ねてきた女性と原っぱに行きました。

目がなれてくると、とうめいなひかりがあたりいちめんに。

ここは水晶がひろえるのです。

冷えた地面に膝をつくようにして、ひとつぶ、またひとつぶとひろいあつめるうち

きちんと身だしなみを整え仕事ができる大人の女性、というふうだったひとが

みるみるうちにばら色ほっぺの女の子になります。

そのようすがいい。 

この姿が見たくてお連れしたんでしょうね。

わたしは水晶にほとんど興味がありません。

きのうの雪はきれいにとけていました。

枯野原のすみっこでひとり冬キャンプをしていた男性が

なにしてるんですかとそばにやってきて、そのあと焚火にあたらせてくれました。