キッチンスプーン

『2016年9月』のアーカイブス
2016年9月30日 17:43

キッチンのすみに、ふるい机があります。

ゆったりくつろげる木の椅子に腰かけると、

目のまえのちいさい窓から、花をつけたきんもくせいの木が見えます。

ふだんはわたしが使っています。

どなたでもどうぞと、すすめられるような場所ではありませんが

ときどき客席にもなります。

意外と人気です。

術後まもないために口もとがまひしている、という若い女性がご来店。

まわりからの視線を気にするようだったので、ご案内。

満席の日にふらりとやってきたはらぺこの友人。

手が空いたら話があるというのだけど、手が止められないので、ご案内。

なんとなく仲間はずれにされた気がして、涙が止まらないちびっこも、ご案内。

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2016年9月28日 12:49

直瀬小学校で運動会がありました。

里山の手づくり運動会です。

地域のおとなもおとしよりも、卒業生も親戚もやってきます。

ついうっかり居合わせたひとは何が何だかわからないまま

知らないひとからにこにことはちまきを渡されて、走っていたりします。

全員にほどよい見せ場があります。

応援はのんびり。

アナウンスは、地元の奥さんがマイクを握ってうろうろしながら。

お弁当は、友人たちと持ち寄りです。

毎年これが楽しみなんですよー。 うちの新米。昨日とれたやつです。おにぎりどうぞ。  

このこんにゃくの卵とじなつかしー。 うちの母のです。 あ、ぼくもほしい。 

ミートボールぜっぴん。 食べました?まだ?ハイハイこれこれ。

あ、ぶどうがおそろいですね。 きれいにむいてるこの梨。 直瀬は慣れましたか。

若いんだからもっと食べないと。 ひとり暮らし? 

このトマト、真夏のトマトの味だ。 そうなんですよ。なかなか秋が来ないね。  

はいこれ。持ってお帰り。 いいんすか。 やー。リレーどーしよー。

お弁当の時間も、見せ場がいっぱい。

2016年9月28日 12:23

あなたの至福って、どんなものですか。

はらぺこの朝の焼きおにぎり。

だれかの腕の中。

お気に入りのあの名曲。

ふいうち。

きんもくせいの花がひらくとき。

久万美術館に、今すばらしい絵がきています。

風景の向こう 松田正平 喜多村知

ぜひあなたも。

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2016年9月28日 10:46

ワインバーをしていたころのお客さまがご来店されました。

ご予約のさい。

お話をしながら、何か今ふわっと、遠くのほうでなつかしいかおりがしたかな、と。

なめらかにひかるワインの赤。 こっくりと濃い栗色のソース。

上手に焼かれた鴨肉の赤。 バターの白。 干しぶどうと熟成したチーズ。

ほの暗い店内で、群れつどう人々が放つおぼろな熱気。

ああ。そうか。思い出した。

そのご夫婦は、いつもしずかにほほえみ、肩をよせていました。

こんな緑の山奥で、またお会いできるとは。

同時に、どうしようもなく未熟で無謀で若々しい、わたしとも再会。

線路は続くよどこまでも。

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2016年9月23日 04:54

高知から3時間かけてひとりで来た、というひとが

はらはら涙をこぼします。

自分を好きになれないと言って。

雨上がりの里山は、虫の声。

わたしたちは、ふたりであついお茶をのみました。

あなたが自分をきらいだと言うとき

それは、海を、山を、川を、空を、星をきらいだと言っているのと同じです。

そんなこと、言いたくないでしょう。

あなたは、あなた以外のものだけでできています。

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2016年9月23日 04:17

1期生  11月27日日曜日 10:00~14:00 

     リクエスト・・・キッシュ・手打ちパスタ・そば・そば粉のクレープ

     ピクルス・パンケーキ・パフェ・手作りチョコレート

     おいしいおつゆのつくり方・焼きおにぎり・よもぎのかしわもち・おでん

     この中から、11月に一番ぴったりなものを作ります。

2期生  予定していた9月25日日曜日の教室は延期になりました。

     次回 10月22日土曜日 10:00~14:00

     秋のスパイシー・ベジタブルカレー 

     お手製カレールー 

     ハーブライス・チャパティ・ピタパン 

     あたらしい生徒さんを2~3名募集します。

     ご興味のあるかた、ぜひお問い合わせください。

3期生  10月23日日曜日 10:00~14:00

     kitchen spoon のポタージュ・スープ

     くりときのこを使って

     ソースとドレッシング

     おひとりお休みのため、1名ご参加いただけます。

     いっかいこっきりでも続けてのご参加でも大丈夫です。 

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2016年9月20日 09:27

軽トラでやってきた友人が、山りんごをくれるといいます。

うちにあるいちばんおおきなかごを持ってとんでゆきます。

このかご、もとはスペインのじゃがいもかごとして作られたもの。

子どもなら、ひとりふたり入ってもびくともしない丈夫さです。

青りんご、赤りんご、黄りんご。

からっぽのかごに、どんどこどんどこふたりで入れるのですが

くれるひとも、もらうわたしも、笑いがこみあげてきてしかたありません。

こんなにたくさん入れたのに、まだこんっなにあるよ?

どーする。 どーしよ。 

満ち足りる、秋。

 

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2016年9月20日 09:08

良夜かな 赤子の寝息 麩のごとく   飯田龍太

むすめは11歳です。

夜はとなりで寝たり、ひとりで寝たり。

自分のあたらしい布団より、わたしのくったり古い布団のほうがいいと言って

ロールパンのようにまあるくなって、すやすや眠ります。

目がさめたら台風でした。

無事な一日を。

2016年9月16日 19:37

・とうもろこしと豆のポタージュ・スープ

・久万高原町9月16日の恵みをたっぷり

  原木しいたけのコンフィとそのソース 茶大豆入りポテト・サラダ

  オクラとだいこんの藻塩ソテー いんげん豆のバター煮 ピーマンのまるごと焼き

  なすとトマトのスパイシー煮込み 黒焼きにした赤ピーマンのマリネ

  にんじんのジュリエンヌ・サラダ 2種類のトマト・サラダ 地ごぼうの素揚げ

  古代米に塩 白なすグリル さと芋とそうめん南瓜のフリット みょうがとアボカド

  グリーン・サラダ(はやと瓜・にら・だいこん葉・モロッコ豆・はくさい・昔きゅうり)

  蒸しとうもろこし 手作りマヨネーズ

・山の玄米チーリゾット レモン風味のおなっぱソース

・黒妙うずのオートミール・クッキー 由良野の森のやぎミルクジャム

・すももと山のはちみつのソルベ

・kitchen spoon 9月コーヒー

おひとりさま 2500円

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2016年9月16日 18:07

名月の夜。

山のてっぺんの、石の上にいました。

山の峰。 白い霧。 

空気はつめたく湿っています。

友人とふたりでしたが、ひとりがふたり、という感じでした。

車を降りてから、ずっと足元を照らしてくれていたちいさなあかりを

消してもらいます。

座ります。

ゆったりと。

静寂に身をひたし、闇にやすむ、秋。

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2016年9月16日 17:55

思いやりのあるひとは、気づきを強制しません。

相手の学びを邪魔しません。

そんなふうにして、わたしはいくども助けられてきました。

ある日の料理教室。

困っているひとにいいものを勧めたのに、まったく聞き入れてもらえなかった と

くやしそうに口元をゆがめるひとがいました。

うん。  あなたが苦しんでどうしますか。

必要なのは指導じゃない。

黙っていても伝わることのほうがおおいのだから

じっくりでないと。

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2016年9月14日 21:11

はじめて自分でつけた梅が、すっぱくてしょっぱくて、たまりません。

ああ。

こう書いているだけで、口もとが自然ときゅーっとなります。

色はいい。 ゆかりもできた。 3日3晩干して、夜露にもあてました。

梅は直瀬の野良梅。 かおりも申し分ない。 かびもなし。

ただですね

塩分20パーセントでこしらえたものですから。

どなたにお話しても、うわあーなんでまた。それはおおいよーといわれます。

はい。 おおかったみたいです。

昭和のはじめのころの料理本をお手本にしました。

ひとつぶを、ちびりちびり。

用心しいしい、かじります。

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2016年9月14日 20:17

メキシコ人のお母さんとアメリカ人のお父さんをお持つ青年が

久万高原町で暮らしています。

彼が異国ではじめてのお誕生日をむかえるというので、

山の友人たちと集まることにしました。

誰ひとり、ちゃーんと作ったことがあるひとはいなかったんですが

とにかくタコスを作ろう!ということに。

持ち寄りです。

あるひとは調べに調べ、あるひとは直感で、またあるひとはそんなこととはつゆ知らず。

わたしは想像たくましく。

奇跡のようにもれなくそろった材料で、いちから手作りです。

味見は主賓のお役目。

彼だけが正解を知っている。

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2016年9月14日 19:52

由良野の森の陽子さんのはなし。

4頭いる山羊のミルクが、毎日毎日じゃんじゃかじゃんじゃかとれて困ってしまい

とにかく保存をと考え、お砂糖を入れて3時間、煮詰めに煮詰めてジャムにしたら

ひとさじで地上の楽園気分になれるくらい、おいっしいものになったのだけれども

そのミルクジャムが毎日2リットルずつできてしまい

だからといって売るとなると、いろいろ決まりごとがあってたいへん。

今朝。

姫ちゃんこれ。 持ってきた。

山羊の冬草代をカンパしてくださる方にお分けしてほしい、とのこと。 

お味はばつぐん。

カウンターに並んでいます。

ぜひお試しください。

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2016年9月12日 20:14

kitchen spoonは今日で4周年をむかえました。

しみじみうれしいです。

休日でしたから、誰もいない店でしずかに座り

開け放した窓のむこうの、刈り入れの終わった田んぼや、あぜ道のすすきを眺めていました。

午後になって、山の向こうの森で暮らす友人がやってきました。

ふたりですこし話をして、熱いお抹茶をのみました。

ケーキ屋の友人がやってきました。

お祝いにと、秋のくだものと木の実がどっさりのっかった、チョコレート・ケーキをくれました。

近所のおじさんが、店のまわりの伸びた草をいっきに刈ってくれました。

9月。 

同居していた90歳の祖母が亡くなりました。

老衰でした。

家で看取りました。

こころやさしい先生と看護師の友人と、母とわたし。

平和な最後、とまでは言い切れませんが、おおむねしずかな見送りでした。

そんなに悲しくなかったような気がします。

それでも、しばらく料理する気になれませんでした。

庭のコスモスが日に日に花をふやす、そのうす紅色を、頬杖の中からぼんやり見ていました。

今日、家族にピッツァを作りました。

生地をこね、赤いトマトのソースをぬって、秋野菜をつぎつぎにのせ、チーズをちらして焼く。

たのしかった。

料理をたのしんでいる自分を、あたらしい自分のように感じました。

今日から5年目。

どんなときも、わたしは誰かのために、料理を作りたいです。

ふかい感謝を込めて。

kitchen spoon  姫野晶子

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2016年9月10日 13:27

メールでお問い合わせくださったお客さま。

たいへん申し訳ありませんでした。

またしても。

はい。

ですが治ったようです。

たぶん。

もう壊れないといいなあ。

ヤマダ電機のサポートの方、いぶし銀のお仕事をされます。

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