キッチンスプーン

2016年9月28日 10:46
バーガンディー

ワインバーをしていたころのお客さまがご来店されました。

ご予約のさい。

お話をしながら、何か今ふわっと、遠くのほうでなつかしいかおりがしたかな、と。

なめらかにひかるワインの赤。 こっくりと濃い栗色のソース。

上手に焼かれた鴨肉の赤。 バターの白。 干しぶどうと熟成したチーズ。

ほの暗い店内で、群れつどう人々が放つおぼろな熱気。

ああ。そうか。思い出した。

そのご夫婦は、いつもしずかにほほえみ、肩をよせていました。

こんな緑の山奥で、またお会いできるとは。

同時に、どうしようもなく未熟で無謀で若々しい、わたしとも再会。

線路は続くよどこまでも。