キッチンスプーン

2017年7月 6日 19:41
時空

何げない出来事がきっかけで、いっきに初心にかえる。

そんなことがたてつづけにありました。

建築家の山下さんからの電話。

ほのぼのと笑いあったあと目を上げると、わたしは完成直後の店にいました。

訪ねてきた友から受けとった手巻煙草のかおり。

ふかい呼吸のあと伏せた目をひらくと、19歳の冬、フランスの下宿先にいました。

自分を好きになれないと言って涙をこぼす若いひと。

背中に添えた手をそっとはなすと、そこにはかつてのわたしがいました。

お世話になった先輩のお店の閉店の知らせ。

にぶい痛みをともなうおおきなおおきな衝撃のあと、わたしは神戸にいました。

平穏な日常のなかにある気づき。

ヒマラヤに行ったり滝に打たれたりしなくても、とおくまで行けます。

いい仕事がしたい。

これにつきます。